19歳の杉原千畝

父の意に反した進学だったので、仕送りもなくたちまち千畝は生活苦に陥った。そこで早朝の牛乳配達のアルバイトを始めたが、それで学費と生活費をまかなうことはできなかった。ある日、千畝は図書館で偶然目にした地方紙の掲示により、外務省留学生試験の存在を知る。
大学の図書館にこもり、連日「ロンドンタイムズ、デイリーメールの両紙を初め、米国発行の数雑誌を片端から全速力で閲覧」するなど猛勉強の末、合格。

10月に日露協会学校(後のハルビン学院)に入学。11月には早稲田大学を中退し、外務省の官費留学生として中華民国のハルビンに派遣され、ロシア語を学ぶ。

30歳のアドルフ・ヒトラー

前年に成立したバイエルン・ソビエト共和国共和国軍にスパイとしてスカウトされる。
ドイツ労働者党への潜入調査を担当する。
ヒトラーはこの時に初めて大学でゴットフリート・フェーダーなどの知識人の専門的な講義を聴く機会を持ち、潜入調査に必要な教養を与えられた