30歳の土方歳三

池田屋事件の際は、半隊を率いて長州藩士・土佐藩士らが頻繁に出入りしていた丹虎(四国屋)方面を探索して廻ったが、こちらは誰もいなかった。すぐさま池田屋の応援に駆けつけたが、直ちに突入せずに池田屋の周りを固め、後から駆けつけた会津藩・桑名藩の兵を池田屋に入れず、新選組の手柄を守った。まだ立場の弱い新選組の事を考えての行動で、歳三らしい冷静な機転である。そのため池田屋事件の恩賞は破格のものとなり、天下に新選組の勇名が轟いた。