39歳の杉原千畝

リトアニアの在カウナス領事館・領事代理に任命される。
カウナスは、ソ連邦に併合される以前のリトアニア共和国における臨時の首都で、そこに最初の日本領事館を開設した。
日独伊三国同盟後もヒトラーの言明に全幅の信頼を寄せることが出来なかった日本は、ドイツ軍が本当にソ連を攻撃するつもりかどうかの確証をつかみたいと思い、日本人が誰もいないカウナスに日本領事として赴任し、リトアニアとドイツとの国境地帯から入ってくるドイツ軍による対ソ攻撃の準備と部隊の集結などに関するあらゆる情報を、外務省ではなく参謀本部に報告することがその役割であった。